戦争の過ちを二度と繰り返さないために

テスト

2023年09月21日 10:27

「言葉の耐えられないほど軽さ」

 三木義一氏(青学大元学長)は、政府・東電が福島県漁連に「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」との約束を反故にして海洋放出を決めたことをこう喝破した。世論に対しても、「政府の説明が不十分」に7割を超えながら、放出「賛成」が五割を超えることに疑問を投げかけた。(8月24日東京新聞「本音のコラム」)

 同感だ。漁師たちは原発事故以来、風評被害で漁業を続けることへの不安に苛まれながら、後継者の行く末にも心を痛めてきた。消費者の不安を軽減しようと魚の残留放射線量も開示してきた。漁師が活路を見出す12年間だった。最近、その努力が報われつつあることも聞かれる。それが海洋放出によって一転し、再び冷たい風評に晒されることを思えば他人事で済まない。放出に賛成する世論の軽さが耐え難い。

 ネット動画を視た。8月21日、岸田首相が「数十年の長期に渡ろうとも国が全責任をもって対応することをお約束致します」と全漁連を説得したが、「漁業者、国民の理解を得られない処理水の海洋放出に反対であるということはいささかも変わりません」と全漁連会長は姿勢を崩さなかった。その三日後に放出が始まった。国会の審議も経ず、約束を反故にしたまま、国が長期に及ぶ全責任を負うと言ってのけた無責任さに耐え難いほどの軽さを感じる。


 

 

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