戦争の過ちを二度と繰り返さないために

「どうなる 若者のいのち これからの日本。」 立憲主義を取り戻す! 殺し・殺されぬために

2015年11月02日 23:12

(11月1日市民ホールやたべ)

 

参加報告 大竹 勉

 

今年5月3日憲法フェスティバル(水戸)で立ち上げた「九条の会茨城県連絡会」の設立記念のつどいが11月1日(日)市民ホールやたべにおいて、表記のテーマで開かれた。講演者は、慶応大名誉教授小林節氏(今年6月憲法審査会で集団的自衛権に対して「違憲」表明をした一人)、二見伸明氏(元公明党副委員長、元衆議院議員)。発言する若ものの立場から、シールズメンバー諏訪原健氏(筑波大大学院)に筑波大医学部生2名と高校生1名が加わった。

1000人収容の会場が満席となる盛況さ、安保法成立後の暴走する安倍政権にどのように対峙していけばよいのかを問う一主権者としての熱を感じた。

主催者代表の茨城大学名誉教授田村武夫氏は、安倍政権が行った安保法強行採決について、「『九条の会』の存在意義が問われる歴史的な局面にあり、立憲主義の立て直し、平和憲法の堅持、国会における多数派をつくること」が喫緊の課題であると述べた。

講演は、若もの4名が各5分、講師2名が各40分で立憲主義、民主主義、安保法、安倍政権等について述べた後、登壇者全員による討論会となった。

 

講演者のそれぞれについて印象に残ったところを以下に紹介したい。

*筑波大医学部3年生(やまもとゆりさん)* 

 将来医者になるために勉強している中で、人の命を預かる医療と安保法は相いれない関係であるとの認識を持っている。安保法は、先ずは自衛隊員を危険にさらし、戦争が命の価値を貶めるものである。安保法成立によって、日本は戦争に一歩近づいた。どのラインで踏み越えてしまうのかが不安である。

 「日本人は民主主義を捨てたがっているのか?」(想田和弘著)を読んで、日本人の民主主義に対する関わり方に危機を感じて触発された。民主主義を守ることに声を上げないことは負けであることから、「小さな不戦敗をしない」と提言するこの本。言論の自由を守るのは自分が発言することが一歩である。だから、明日月曜日は試験でこんなところでこんなことをしている場合ではないけれど(会場笑いと拍手)声を上げている。

 

*筑波大医学部3年生(まえじま?さん男性)*

 同様に、医学を勉強して将来医者になろうとしている。命が失われる戦争法制には反対する。まして、自衛隊員は自分の命が奪われると同時に相手の命を奪うことになる。そればかりでなく、この法制による自衛隊の海外派兵は現地でNPO活動している日本人たちをも危うくする。憲法の理念とは命に責任を持った行為を平和とするものだと思う。

学生の間にも政治への関心が高まりつつあると感じている。運動の草の根的な広がりに期待している。

 

*高校1年生(ひらもとひろさん?女性)

 中学3年の修学旅行で広島原爆記念サイトを訪れて、原爆ドームなどを見て原爆の悲惨さ感じた。さらに、戦中に造られた大久野島毒ガス工場に衝撃を受けた。それまで日本人を戦争被害者で観ていたが、自分の意識の誤りに気付いた。

集団的自衛権についても誤りを感じている。

 緒方貞子氏(国連難民高等弁務官、アフガニスタン支援政府特別代表等歴任)に感銘している。

 

*諏訪原健氏シールズ主要メンバーの一人(筑波大大学院教育社会学専攻)

 安倍政権については、立憲主義、平和主義の破壊者であると認識している。私たちは、自分の子供や孫、将来のすべての人たちに対して責任があると思う。

 我々の運動にはさまざまな評価や批判もあることは認識している。しかし、状況をポジティブにとらえて、運動を全世代的に成長させていきたい。

 現状(自民党政権への返り咲きと安倍政権誕生)をつくりだした背景には、有権者の民主党政権に対する絶望感があったからだと思う。しかし、私たちは“我慢強さ”が必要だったのではないか。現政権の暴走を止めるには、来夏の参院選で勝利して「ねじれ国会」をつくることである。そのためには野党共闘を強く訴える。主権者たる国民が意思表示をしなければならない。

 顔の見える関係のなかで枠(心理的な)を壊すことで、問題意識のない人たちへ呼びかけていけばよいと思う。

 中国政府の弾圧に非暴力で抵抗(焼身自殺)するチベット族のドキュメント映画を見てきた。仏教的には“縁起”という原因と結果の世界観がある。例えば、南スーダンでの自衛隊の駆けつけ警護を原因発生と結果的な拡大を憂慮する。それらを回避するために、私たちは出来ることからやらなければならない。

 

*小林節氏(慶応大名誉教授・憲法学者)

 私は、今まで改憲論者として主張してきた。九条と自衛隊のあり方について、今日は議論しない。9条2項「・・・陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」としている。持っていても使わないとすることでよい。自衛隊も同じであり、法律で限定的抑制的に縛ることである「。

 安保法制の国会審議では与党の答弁に対して、“人間としてあれまで不誠実になれるものか”と思っている。国会において、9条が存在する前提が破壊されたと言っても過言ではない。

 安倍政権は中国と北朝鮮の脅威を煽っている。これに反論するには脅威論を論破する必要がある。かつて、中国はモンゴル、チベットを侵略してきた。1958年に金門島を台湾から武力で奪おうとしたが、台湾の必死の抗戦で諦めた。今の南沙諸島をめぐる領有権主張も、フィリピンが米軍を追い出した結果である。しかし、中国と米国・日本は経済的に極めて太い関係を保っていることから、無益な紛争など起こしようがない。北朝鮮のミサイル脅威を政府は挙げるが、それを実行したらアメリカに斬り殺されることくらいはあの国は十分わかっているはずだ。だから、過度の脅威論は信用できない。

 来夏の参院選では、野党共闘を呼び掛けている。一人区での野党協力を民主・共産で実現すべきだ。共産党と組むことについて、民主党内からは“保守支持層からの批判”論が上がっているが、保守支持者なんて既に民主党からは逃げてしまっていると言っている。共産党について、世間には過去に共産党を弾圧した側の意識“赤はいけない”と言う刷り込みが今でも残っている。また、かつての民主党政権時の失政を批判するのは酷である。当時の政権に対する官僚の組織的な反抗になす術がなかったのだから。

 共産党(志位党首)に言いたい。“政権取ったら民意を問う”なんてバカなことを言っている場合じゃない。自民党時代のツケを解消することが先だ。

 

*二見伸明氏*

 安倍氏(首相)は怖い人だ。雑誌(歴史・・・?)インタビューで“慰安婦問題を取り上げようとしたNHKへの報道介入を私と中川昭一さんがしたとする記事を載せた朝日新聞をたたきのめした”と語っている。

 来年6月、南スーダンでは自衛隊員の交代時期を迎える。非武装の救援隊による国際ボランティアの救済、駆けつけ警護。現政権はそんなことを参院選前にやらせるのだろうか。

 

**若ものと講師の討論**

 最初に、諏訪原氏が参院選の争点をどう選ぶのか?について。一人区が32区ある中で自民党の得票率が半分以上を確保しているのが23区である。自民党にどのようにしたら勝てるのか。

 

 小林氏は、自民党による国民の主権者としての被害者意識がうすい。安保法制の強行採決後の方が、今日のような講演会への参加者は多くなっている現状もある。シールズのアナウンス効果か。もう一度野党に期待しよう。

 

これに対して諏訪原氏。これまで大学生の投票率は極めて低かった。投票用紙が本人でなく、帰省地に届くことも原因である。期日前投票に対する理解が進んでいないこともある。これらを改善するために、Q&Aで啓蒙することをしている。投票の場を学生にとって身近な場(大学構内、ネット等)でできるようにシステムを提案していきたい。

 

 小林氏は大学生からの質問に対して、安倍政権において「憲法を大事にしよう」という気風が失われた。だから、憲法を壊すことを反対する気風をつくりなおすことが大事だ。

 

 二見氏は自民党改憲草案を取り上げて、現行憲法97条で「個人」権利を最大限尊重することを最高法規の一つとして謳っている。一方、自民改憲草案にはそれに該当する条項は見当たらず、「個人(individual)」から「人(human)」になり、個人の権利が制限されていることに民主主義の危機があり、注意すべきだ。

 

***エンディング***

 設立記念にあたり宣言文を採択した。

最後に、会場全員が総立ちして、シールズ諏訪原健氏のリードによるシュプレヒコールで幕を閉じた。

 

   憲法守れ 憲法守れ

平和を守れ 平和を守れ 

未来を守れ 未来を守れ

子どもを守れ 子どもを守れ

   民主主義ってなんだ(諏訪原氏) これだ!(参加者)

   民主主義ってなんだ(諏訪原氏) これだ!(参加者)

   民主主義ってなんだ(諏訪原氏) これだ!(参加者)

 

 

以上

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