戦争の過ちを二度と繰り返さないために

「9条の会さかい」発信 2018.11 No.20

2018年11月12日 23:07

関心をはらいましょう

 くすぶっている安倍改憲ですが、炎上させないように国民が関心を向けていなければなりません。私たちは憲法と政治に無関係ではいられない。皆さん集いましょう。

  • 「会発足四周年の集い」 境町中央公民館会議室
  • 11月29日(木) 午後1時~3時 

 

 

 護憲は楽観主義か?

  たちはときに改憲を容認する人たち対して、その危うさをどうすれば理解してもらえるかと思いめぐらすことがある。それを漠然と持ちながら、伊藤真弁護士の講演を聴いた。10月27日つくば市、茨城県弁護士会「9条改正・憲法と平和を考える」講演。伊藤氏は日弁連で護憲や人権問題の先頭に立つ著名な弁護士だ。 
 伊藤氏は改憲論者と論争をするなかで、護憲論がお花畑の楽園主義と揶揄されることもあるそうだ。ときにはこんな反論もしたい、と笑いながら示したのが印象的だった。それらを紹介する(原文一部省略あり)。 

 「どちらがお花畑の楽観主義か?」

○軍隊は国民を守るためのものだと思う楽観。
○抑止力を高めたら相手は必ず従うと思う楽観。
○攻められても原発は標的にならないと思う楽観。
○戦争になっても犠牲者は自衛官だけと思う楽観。
○アメリカが自国の国益のために日本を犠牲にすることは絶対にないと思う楽観。
○軍事費が膨大にかかっても、国民福祉に影響ない と思っている楽観。
○軍隊持っても人権保障に影響ないと思う楽観。
○日本の政治家には、米国の要求を拒否できる能力があると思う楽観。
○憲法を変えれば独立主権国家になれる、武装しても中立でいられると思う楽観。
○戦前に失敗した軍事力の統制を今の政治家ならできると思っている楽観。

 これらは戦争体験者ならば幻想に等しいと思えることだろう。

 

 

改憲がもたらす分断

 第三次安倍内閣の成立で改憲シフトが露骨になった。公明はいまのところ慎重にして、改憲土俵に上がらない素振りだが不透明だ。

 野党第一党立民は安倍自民に改憲資格なしと突っぱねて、国民投票法の見直しに関心を移している。2007年成立した同法(野放し法)のままでは、与野党間の力と資金力の差が投票結果に顕著に表れる。国民投票は、普通の選挙とは全く別次元の投票になることを知って欲しい。

 国民が改憲を望まず、議論が煮詰まっていない現状で、政権与党が力ずく改憲することは、主権者国民にとって極めて理不尽だ。危険で不幸な将来を招くことになりはしないか。

 安倍さんをたしなめる声が自民有力者からも上がった。谷垣禎一前幹事長が6日、大島衆議院議長を訪ねて「亀裂を生むよりも、国民統合に資することが大事」と説いた。「YESかNO」と二者択一の投票が国民分断への恐れだ。
自民案通りの9条改憲が成立すれば、国政にも地方自治にも自衛隊の正当性が持ち込まれよう。代わって人権や社会保障が後退する。それは権力や財力を持つものと持たざる者との分断を増幅して、さらなる格差と貧困を生む。

 

 

民主制度への警鐘

 アメリカ以外にもブラジル、チェコなどに同類のトランプ氏誕生を報じる。彼らの共通点は「大衆迎合」だ。既成政治に裏切られたと感じる民心を上手くつかんだポピュリスト達。民主制度が民意をすくいあげられなくなって機能不全の警鐘を鳴らしているとの指摘を読む。日本では強権的政府が続いており、選挙制度が体制の維持装置になってしまったかの危惧を覚える。

 世界21ヶ国への世論調査で民主制を支持する人がここ数年の間に減少しているという米国の大学の報告がある。私たちは民主制度を捨ててまで迎合主義に依存したり、無関心を決め込むのか。二度と悲惨な時代に戻ってはいけない。
 

サイト内検索

お問い合わせ先

9条の会さかい(事務局) 090-8729-3008