戦争の過ちを二度と繰り返さないために

「九条の会さかい」発信 2021.11 No.56

2021年12月01日 08:54

「9条の会さかい」発足7周年

  この十一月で当会発足7年になりました。十八日には境町中央公民館研修室にて総会を開きました。コロナ対応により、発起人と会員10名の出席にて開かせていただきました。
 今回の総選挙結果を踏まえながら、話題は改憲への懸念が大きくなったことを中心に意見交換をしました。9条を護るために、周囲の人たちに憲法の大切さを理解してもらうこと共通の行動として確認しました。会員及び当会報読者の方々にもご理解ご協力をお願いします。

 

 尻たたき改憲は許さない

 今回の衆院選の結果、自公与党と維新を合わせた議席が大きく増えた。これらはいずれも改憲を推進する党である。さらに、国民民主党も改憲に前向きになっている。それ故、衆参両院とも改憲発議と採択が容易になった。岸田首相は選挙結果を好機ととらえて、改憲に意欲を示す。維新、国民も来夏の参院選に合わせた動きに言及し始めた。

 改憲案の方はどのようになっているのか。自民は2018年3月に改憲案4項目を示している。「9条の改正」「緊急事態条項」「合区の解消」「教育の充実」とある。
 維新は2016年3月に憲法改正原案として「学校教育の無償化」「統治機構改革(地域主権関係)」「憲法裁判所」を示している。なお、国民民主党の改憲案は見あたらない。

 一方、立憲民主党の姿勢はどうか。現在党首選中だが、党首候補者の多くは改憲に対して慎重な姿勢を示しながらも、「改憲論議は静かな環境で」と自公維新を牽制する。特定秘密保護法、集団安保法制、共謀罪等を国会で強行採決、成立させたことへの警戒感が滲み出ている。
 今年の六月に改正国民投票法が成立した。改正により、問題多い本法に対して投票機会や投票所設置の規制が緩和された。CM垂れ流しを規制して公平性を保持する審議は継続となった。しかし、「最低投票率」を設ける議論はされていない。改憲論議の前に、国民投票が公平公正に出来るようにすることが大事ではないか。
 国民の多くは改憲を望んではいない。世論調査がそれを示している。主権者である国民の尻を叩いて改憲を推し進めることは許されない。

 

 

 政治を諦めてはいけない

 今度の選挙では何とか投票率の底上げに寄与したいという思いがあった。投票率が上がれば政治は良くなると一般市民に訴えた。中村喜四郎氏が立ち上げた「投票率UP運動」を支援した。しかし、結果は戦後三番目に低い投票率56%弱に終わった。

 安定多数の議席を得た自公与党の新政権は、低投票率であっても国民の信頼を得たとばかりに、これまでの政治同様のふるまいをするのかと思えば気が滅入る。すべての国民の生活に関わる政治が、有権者の四分の一の選択によって決められてしまう。低投票率の怖さだ。

 安倍菅政治の九年間に起こった悪政を評することもなく、無関心を決め込み、持っている一票を投ずることをしない人たちにとって、自分の暮らしに深く関わってくる政治がどのように映っているのだろうかと興味を覚える。
 災害が目前に迫っても危険を回避しない心理が働く場合がある。逃げなくても自分は助かると思い込む正常化のバイアスだ。それによって対処する意思決定が出来ない状況に追い込まれる。

 政治に関心を持てば失望や怒りも多く、耳をふさぎたくなることもあるのも現実だ。だから無関心でいたい、誰かが何とかしてくれるとする方が楽にも思えよう。しかし、無関心を装っていても政治が良い方向に動くことはないのも事実だ。その末に本当の痛みを被ったときには既に遅いのだが。
 政治を諦めてはいけないと自身に言い聞かせているこの頃である。

 

 冬灯し朱線引かれし反戦詩

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