戦争の過ちを二度と繰り返さないために

「九条の会さかい」発信 2021.7 No.52

2021年07月29日 16:33

核兵器禁止条約成立と「平和行進」の報告

 今年は核兵器禁止条約に対して、署名国86か国、批准国54か国に達したことで、核兵器の開発、製造、威嚇、移転等が国際条約において違法となる記念すべき年になりました。しかし、核保有国9か国と唯一の被爆国日本の名はこの署名批准国の中にはありません。

 今年も7月1日に「平和行進」が古河→五霞→境町にリレーされて来ました。当会員9名、境町職員組合、古河市9条の会合同のスタンディングデモによる核廃絶をアピールしました。境町役場にて、境町・町議会・教育委員会・職員組合からこの運動への義援金の贈呈セレモニーが行われました。このような息の長い運動と各自治体の支援が続けられていることが大切です。会員と賛同者の皆様にはこれからも運動への参加をお願い致します。
 

 

 集団安保法制の怖さ

 7月5日(読売新聞オンライン)。麻生副総理は台湾が中国から武力侵攻を受けた場合についての日本の対応を述べた。

 「(台湾で)大きな問題が起きると、存立危機事態に関係してくると言っても全くおかしくない。そうなると、日米で一緒に台湾の防衛をしなければならない」。これは2015年の安倍政権下で強行採決された集団的新安保法制(いわゆる「戦争法制」)についての言及だ。

 存立危機事態とは「日本と密接な関係にある他国が武力攻撃を受けた場合、日本に存立の脅威と危機が生じたと同等な事態である」を指す。従って、基軸となる日米軍事同盟によって台湾を守ることは当然と麻生副総理は言っている。

 この集団安保法制自体が違憲と指摘されている。憲法9条は交戦権や武力による威嚇を認めていない。極めて重大なことであるが、これまで台湾情勢に基づく日本の存立危機の議論が国会でなされた記憶はない。副総理発言がそれを飛び越したことに危ういと言わざるを得ない。まさに他国間の紛争に巻き込まれる危険があるところに新安保法制の怖さがある。

 新安保法制は、全国22の裁判所にて違憲訴訟で争われている。これまでに高裁3件と地裁7件の判決が出ている。いずれも裁判所は司法判断に踏み込まずに、原告(市民)が訴える平和的生存権の侵害や戦争への危機感に対して具体性を欠くと切り捨てた不当判決を下した。

 しかし、一国の副総理が国会審議も経ずに同盟国軍との参戦を持ち出すこと事態が国民にとっては危機と言う他はない。

 

 

 今からでも五輪中止を!

 国内のコロナ感染者が急激している中、五輪実施に疑問と反対の声が高まっている。関東圏では、感染力の強いデルタ株感染者が3割以上確認されている。感染症の専門家は今後の拡大に警鐘を鳴らしている。

 しかし、残念なことだが五輪は始まってしまった。選手達の無事を祈るばかりである。さらに、この時期の酷暑が選手達に追い打ちをかけている。特に屋外競技は選手達の命を危険に晒す。現に熱中症になる選手が出始めている。

 ところが、2013年に東京五輪招致委員会がIOCに提出した立候補ファイルには、七月下旬から八月上旬の気候を「温暖でアスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」と説明していた。安倍総理の「アンダーコントロール」の虚言同様、甘言巧みに誘ったなりふり構わずの日本の姿勢を海外メディアが批判し始めた。
 菅総理は開催直前に米国のメディアインタビューで「やめることは一番簡単なこと、楽なことだ。挑戦するのが政府の役割だ」と答えた。これに「簡単ならば直ちに中止すべきだ。一緒に総理もお辞めなさい」と世論が反発した。

 選手や国民問わず、このままでは救える命まで救えなくなる。これこそ人災である。五輪は直ちに中止すべきだ。




底深き洞窟の闇沖縄忌   昌利    

「非国民」「反日」も良し声を上げ五輪中止に命救わば  蒼果

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