戦争の過ちを二度と繰り返さないために
「戦争は防衛を名目に始まる」京大有志の会の詩的声明書
2015年07月16日 07:24
京都大の教授や学生が今月二日、「自由と平和のための京大有志の会」を設立、声明書を発表した。
下村文科相先月、全国の国立大学対し、中期目標を策定する際に人文社会科学や教員養成系の学部などについて廃止や見直しに取り組むよう通知した。また、入学式などで国旗掲揚と国歌斉唱を求めた。
京大を含めた旧帝国大学は戦争で軍事研究や「大東亜共栄圏」の理論構築などに積極的に関与した。強権的な大学改革を進めようとする安倍政権により、同じような道をたどりかねないことへの危機感を、詩的に伝えている。声明書がインターネットで公開されると瞬く間に一万件を超えたという。
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戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。
戦争は、始めるよりも終える方が難しい。
戦争は、兵士だけでなく、
老人や子どもに災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、
心の中にも深い傷を負わせる。
精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。
海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。
血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生みだすことを誇る特殊な国に生きたい。
学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。
生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力に
くさびを打ちこまなくてはならない