戦争の過ちを二度と繰り返さないために
「9条の会さかい」発信 2017.11 Vol.8
有権者の自覚と自立の選挙戦
11月1日、衆院選後の特別国会での首相指名選は安倍晋三氏の続投となった。与党が確保した議席数と世論の乖離は大きい。安倍首相は早くも野党の質問時間を削減しようと、政治家としての倫理感が欠如した態度を露わにした。
今回は二極構図の選挙戦となった。与党と補完勢力野党に対峙するリベラル野党と市民の共闘。特に立憲民主党の躍進とそれを支えた共産党の身を削った姿勢、自覚的な有権者の存在に救われた思いだ。
「下からの民主主義に」と枝野立民代表は訴え、「一緒に闘おう」と有権者の自覚と自立を促した。安倍首相の強いリ―ダ―シップや小池代表が自らの政党に政治を託せと話す上から目線で国民に隷従を求める姿勢とは対照的であった。
野党は選挙後も継続して街頭に立つべきだ。護憲、疑惑追及、安保法制・特手秘密保護法・共謀罪法の廃止を訴えて、崖っぷちの民主主義を国民に知らせるべきだ。
小選挙区制こそ一票を投じよう
1996年から小選挙区制が始まって21年経過。二大政党制を確立して政権選択の機会を国民にと謳われたこの制度。国民の側からすれば必ずしも良いシステムには映らない。死に票の多さと、少ない得票率でも大きな政党が多くの議席を占める。とりわけ、現状は二大政党どころか安倍一強の自民勢力に対抗出来る野党の数は、収斂の様相さえ見えてこない。
今回、小選挙区では自民の得票率は全体の48%なのに議席占有率は74%、投票者の意思が正当に反映された結果とは思い難い。さらに、全有権者の内、自民党に投票したのは4人に1人でしかない。
これほど安倍政治の暴走と疑惑が顕著になっても戦後二番目に低い投票率とは。この制度ではますます一票の無力感を増幅させることになりはしないか⁉であればこそ一票の権利を行使して選挙制度を変えていかねばなるまい。
映画「明日へ」からのメッセ―ジ
「戦争は罪悪である」このメッセ―ジを一貫した映画「明日へ」の試写会の機会を得た。
日中戦争が始まり、日常が軍国主義に染められていくなか、「仏法の教えの第一は不殺生、人の命を損なう戦争は罪悪」と主張。治安維持法で特高警察に逮捕されながらもその信念を曲げなかった実在の僧侶がモデルだ。スト―リ―には、反戦僧侶であった植木徹誠(コメディアン植木等の父)も脇役として描かれている。
僧侶杉原良善はかつて普通の国民と同じく戦争協力者だった。僧侶の立場から村人に兵隊になって殉国し、永遠の命が得られると説いて回った。しかし、彼が戦場に送った子の戦死で悲しむ母親から激しく責められて自分の罪に気付く。それを契機に植木徹誠との交流を通して、戦争反対と人命の尊重を説く僧侶に急変した。
村から出生する兵士に「戦場では殺さずに逃げ回れ 生きて帰れ」と説き回り、村人に蔑まれ非国民と指されてもその説法を止めなかった。
県西地域での上映化を実現出来ればと「戦争法の廃止を目指す県西市民連合」に諮りたい。
「9条さかい」結成3周年の集い
「9条の会さかい」は11月で結成から3年です。総会を開きますので出席をお願いします。
- 11月30日(木) 境町中央公民館2F会議室
- 午後1時 ~ 4時 活動報告/意見交換会
累累と票屍はあかときのあらぶる風におの価値を問ふ
蒼果