戦争の過ちを二度と繰り返さないために

「9条の会さかい」発信 2020.12 No.45

2021年01月02日 01:49

 メルケル演説の力

 コロナ禍中のクリスマスを目前に、警戒と緊張が高まる。12月9日ドイツ連邦議会、メルケル演説に世界のジャーナリズムが注目した。

 ドイツ国民にとってもクリスマスは殊更の楽しみだ。メルケルがそれを自粛させようとするメッセージ。言葉と表情と身振り手振りで懸命に伝えようとするのは、悲しみと謝罪と懇願と強制だった。議場の議員と国民に語ったその演説は、動画でさえ視聴する者の感情を揺さぶる強烈な力がある。
 メルケルは国立科学アカデミーが示した科学的判断への信頼と尊重を表明した上で、「グリューワインの屋台やワッフルの屋台が設置された時に、テイクアウト用食べ物と飲み物の許可をするという協定が・・・1日590人もの死者が出るという代償を支払わねばならないのなら、私は到底受け入れられない」と楽しみを奪うことへの謝罪を示し、これ以上の死者の増加が耐え難いと悲しむ。さらに、「クリスマス前の今、多くの人と接触したせいで祖父母と過ごす最後のクリスマスになってしまうかもしれない・・・そんなことは絶対にすべきでありません」と一時の喜びから決別する覚悟を促す。(邦訳文からの筆者要約)
 ドイツの鉄の女との声さえ聞かれる強健な意志を併せ持った人間性が彼女の力である。

 

 

  投票で政治が変えられる

 メルケル演説から日本の論壇は「こんにちは、ガースーです」と民放出演した菅首相の責任感と知性の低さに深い落胆と批判を隠さない。

 菅政権発足時70%の支持率が三か月後の十二月、朝日新聞調査では39%に急落した。背景には、GoToトラベルに見る経済優先のコロナ対応と感染拡大防止策の後手行き詰まり、「桜」疑惑への擁護姿勢、学術会議推薦者の任命拒否と説明放棄などが打撃となっている。
 自民内には、コロナ対策を火中の栗を拾うが如くおよび腰で菅おろしの気配もない。五輪を抱える中での低支持率では解散に踏み切れず、来秋の衆院任期満了直前で「野垂れ死に覚悟の解散」と予想する声も聞かれる。
 中村喜四郎氏が呼びかけた投票率UP国民運動(会報№41)は、立憲・共産・国民・社民野党連合で展開する運動である。当会はこの運動に積極的参加を表明する。
 中選挙区最後の総選挙と安倍政権下の前回総選挙を比べると、投票率は67%から54%に落ち込んだ。1440万人の有権者が選挙に足を運ばなくなったことは、民主主義の危機である。しかし、棄権者の7割以上が政権批判票であり、そのうちの100万人でも投票所に足を運ぶ人が増えたら政治は変わるとの指摘に希望を繋げたい(10/29オンライン文春)。
 十二月の支持率急落で菅首相はGoToトラベルの継続を急遽取り止めたくらいだ。国民が主権を行使すれば政治は変わる。投票率UP国民運動に会員・賛同者の皆さんの参加を求める。

 

 

  「9条の会さかい」5周年役員会報告

 本年十一月二十七日で当会は立ち上げから5周年を迎えました。今年はコロナ感染リスクを考慮して、発起人のみの会とさせていただきました。会員の皆様には事後報告になりますが、ご了承いただけますようお願い申し上げます。
 役員会では次の活動方針が確認されました。以後一年間、これに基づいた当会の活動に、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 ①周辺「9条の会」及び「戦争法廃止を求める県西市民連合」等との連携を重視②護憲政党への支持③市民運動への参加によって会員及び賛同者を拡大する。
 ※ 現在、会の運営資金(会報コピー費、意見広告協賛金、平和行進寄付金が主)が不足しております。会員並びに賛同者の皆様からのご寄付をつのらせていただきます。一口1、000円を目安にご寄付をお願い申し上げます。


 

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