戦争の過ちを二度と繰り返さないために
「9条の会さかい」 2017.6 No.3
ひとり芝居「横浜ローザ」からの問いかけ
横浜出身女優五大路子の20年ロングラン公演「横浜ローザ」を5月末に観劇した。これは「ヨコハマメリー」と呼ばれた実在の娼婦をモティーフした2時間近くにも及ぶひとり芝居だ。
メリーさんは戦後まもなく進駐軍相手の娼婦となり、そのまま70才代(1990年代半ば)まで横浜の繁華街に立っていたという。ご存知の方はいるだろうか。白いレースのドレス。顔を白と濃いアイシャドウで塗り分けた高齢の娼婦が醸し出す雰囲気には、写真からでさえ刺激的な印象が脳裏に刻まれる。
26年前、ひとりの女優(路子)にこの娼婦から投げかけられた視線が極めて強烈だったと語る。”あなた、私たちの生きてきた時をどう思うの、答えてちょうだい。”憑りつかれたように取材を重ね。このひとり芝居に結実したという。
劇場入り口に戦後の娼婦たちの警察調書が展示されてあった。一枚一枚読んだ。敗戦に翻弄され、親や子供を養うためにその道に引きずり込まれた人生が滲んでいる。娼婦たちの多くは抜け出したが、メリーさんはなぜ、そのままで?
劇中のセリフは”いいのよ何でも・・・今や私は伝説の娼婦。だったらいっそ伝説の中に生きてやろうと思って”劇としてメタファーだけではないだろうと受け留める。
「いつまでも戦後であること」と重なる。忘却と引き換えに敗戦から必死で抜け出す努力をして来た日本人。私たちに向けられた一人の娼婦の非力でも強い抵抗があったことを。
「戦争法(安保法制)の廃止をめざすいばらき県西市民連合」に参加をお願いします
5月3日の安部総裁の9条改憲発言に対しても、多くの国民と識者から批判の声が上がっています。戦争法の廃止とともに9条を護り続けることが必須です。「9条の会」会員の皆さまには、この結成集会への参加をお願いします。
- 6月24日(土曜日) 午後2時~
- 平成館(古河市ネーブルパーク内)研修室1階
- ビデオ上映 ①アニメ「戦争のつくりかた ②「ワイマール憲法の教訓 なぜ独裁がうまれたのか」
組織犯罪処罰法改正案への警鐘
いわゆる「共謀罪」法案は、現在参議院に移され、成廃の攻防が続いています。(※)戦前の治安維持法復活と監視社会の到来への国民的批判が広まるなかで、国連機関などから強い懸念と警鐘が表明されていることには心強い援護です。
衆院法制審でこの法案への強行採決がされた6月半ば、「プライバシーの権利に関する国連特別報告者」のケナタッチ氏から安部首相あてに、プライバシーや表現の自由を制約する恐れがあるとする強い懸念を示す書簡が送付されました、法案の対象犯罪が広く、テロリズムや組織的犯罪に無関係のものが多く、恣意的に適用される危険があるとの警告です。
また、政府が「共謀罪」法制化の根拠としている国際組織犯罪防止条約締結の「立法ガイド」を執筆したニコス・バッサス氏は、「この条約はテロ防止を目的としたものではない」と警鐘をならしています。テロ対策除外の理由に「非民主的な国では、政府への抗議活動を犯罪とみなす場合があるから」と説明しています。
これからもわかるように、「共謀罪」は条約の理念には相いれず、政府説明の根拠が崩れて政権の下心が見えてきます。
共謀罪反対署名も6月で144万人になり、参院に亭主ルされます。廃案を強く求めます。
「夜と霧」読み返す日はありや 2017年不条理の夏」 蒼果
※与党は15日未明の衆院本会議で野党4党が提出した安倍内閣不信任決議案を否決。その後の参院本会議で、法案を付託した委員会採決を省略する「中間報告」を用いて同法を成立させた。中間報告は、同法自体には賛成した日本維新の会も「正当性を欠く奇手」(片山虎之助共同代表)と指摘する異例の手続きだ。
(詳しくは→https://www.asahi.com/articles/ASK6H566RK6HUTFK00V.html?iref=com_alist_8_03)