戦争の過ちを二度と繰り返さないために

「9条の会さかい」発信 2023.11 No.79

2023年12月01日 00:25

ガザの子どもたちに

 イスラエルがハマスへの報復攻撃によって、ガザの人道危機は深刻化の一途をたどっている。死者は1万3300人以上、子どもたち5600人が含まれる。ガザ人口216万人の8割が避難民になった。90万人の避難民が身を寄せる国連管理地区では衛生環境の悪化で、感染症や下痢などが蔓延しているとの報道に胸が痛む。24日からやっと休戦が始まった。
 イスラエル国内では軍事侵攻に対する政権批判の声も上がり始め、ガザ住民の間でもハマス支配への不満が噴出していると云う。そこに国際世論の圧力がかかり休戦の道が開かれたようだが、戦闘が繰り返される不安も大きい。

 私たちに求められることは、国際世論に歩調を合わせて人道危機への非難の声を上げることと赤十字等が展開する救援金支援くらいだがやらないよりはマシだ。先週金曜日の夕方、定例の古河駅前活動にて市民に呼びかけた。

 これほど多くの子どもたちがひと月の間に殺されたのだ。この子らの前ではいかなる正義を振りかざしても恥ずべきことだが、時には小理屈よりも情で動くことも必要だ。
 

 

弥縫策だらけの「マイナ保険証」

 マイナ保険証に関する様々なトラブルが噴出していることは知られたことだが、それらを取り繕うためにいろいろな施策を繰り出してくる政府の姿がまた哀れにも映る。

 今度はどんなカードを出してきたかと見れば、健康保険証に限定して使えるマイナ保険証だと云う。高齢者が簡単に使えるようにした機能限定スマホのマイナ保険証版とでも思えばよいのか、「暗証番号なし(顔認証)マイナカード」のようだ。高齢者や障害者への配慮であろう。その他にも、70才以上で自己負担割合が変更した際には「資格情報のお知らせ」、転職などで新しい保険組合のデータ更新が間に合わないことで生じる全額負担を避けるための「被保険者資格申立書」などきめ細かそうだが、いずれも「マイナ保険証」の弥縫策である。一方、「マイナ保険証」を申請しない人には「資格確認書」が発行される。そうなると、5種類のカードが出まわり行き交うことになる。それでは、税金を使って利用者と医療現場や自治体をも巻き込んで混乱させ、医療制度も歪められることになりはしないか。そもそも現行の保険証を存続させれば済むことではないか。「保険証廃止に反対」、その声を上げようではないか。

 

「元号で書きたくありませ宣言」

 例えば、安倍内閣が憲法解釈を変更して集団的自衛権(いわゆる戦争法)を容認する閣議決定をしたのが平成27年だったと振り返っても、忘れもしない悪夢のような出来事が何年前の事だったかピンとこない。元号が記憶の時系列を分断するからである。また、役所の窓口で出された書式が元号記入だけだと抑圧感さえ覚える。そんなときは元号に二本線を引いて西暦で記入する。注意されたならば“そちらで直して下さい”と断っている。6年前の2017年9月会報には《数四つなれど抗いて元号に線二本引いて書く出生の年》と下手な歌を載せた。

 11月27日付東京新聞記事には、「西暦表記を求める会」市民グループが「元号レッドカード」なる名刺大のカードを作ったとある。カードには《私は西暦で記入します》『公的機関の窓口での国民の元号使用はあくまでも協力要請であり、西暦で記入したものも受け付けられること 政府は1979年の元号法審議のときから一貫してこのように述べています2019/4/3 菅義偉内閣官房長官記者会見など』と書かれてある。役所などで元号記入を求められた際には“このレッドカードが目に入らぬか”って掲げる。
 そもそも元号記入を強制する法律がないのだから、行政から強制されることも、国民が従う義務もない。思想信条の自由を抑圧するような役所の慣行にはノーと応えれば済むことだ。

 

 

 

民置きしままの政界冬日影   昌利  

あまたの子らを慰め癒すすべはなし“やめろ”“殺すな”と叫ぶほかなし   蒼果 

 

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