戦争の過ちを二度と繰り返さないために

「9条の会さかい」発信 2023.6  N0.75

2023年06月29日 22:39

 保険証廃止とマイナカード強制に反対する

 

 改正マイナ法が今国会で成立した。しかし、マイナカードにまつわるトラブルが続出している現状に、国民は不安を募らせている。

 この制度で問題なのは「健康保険証の廃止」と、それがマイナカード取得の「強制」に結びつくことである。今も問題なく使われている保険証の廃止を望む国民は一人もいまい。マイナカード取得は法律上も「任意」である。マイナ保険証を取得しない人たちには「資格確認書」が発行されるとあるが、更新手続きが頻繁であり、マイナ取得に仕向けた強制に変わらない。

 その一方でマイナ保険証への一本化は医療現場を混乱させている。とりわけデジタル化オンラインシステムについていけない開業医の廃院がこの3月で1100件を超え、来秋までにはさらに千件に上るとの全国保険医団体組合の報告がある。それ故、この制度が国民から医療を受ける機会を奪うものに他ならない。

 この会報の読者には既に取得された人たちもおられるだろうが、健康保険証の廃止を望み、取得強制に賛同したいとは思わないだろう。取得の有無に関わらずこの制度の欠陥を共有するからだ。

 政府はこの制度を中断して見直すべきだ。それを訴えるために、当会では「保険証廃止の中止を求め、マイナカード取得の強制に反対します」署名活動を行うこととする。会員と会報読者の皆さんに協力をお願いしたい。

 

 

駅前活動での場面から 

 毎月第四金曜日の夕方は、古河駅前東口にて平和憲法の擁護や戦争法の廃止などを一般市民に呼びかけ、署名活動も行っている。

 6月23日はマイナ保険証の問題と中止を取り上げ、街頭演説と署名を呼びかけていた。その時、高校生の男子が近づいて来た。男子は「アンタたち大きな声を出して他人の迷惑を考えろ!」と怒りを露わに抗議して来た。我々の行為が警察の許可と規制音量の範囲内であることを説明したが、それで男子の態度が治まる様子はない。話しはこれからである。

 我々メンバーの一人の女性が突然のことに当惑しながらも、マイナカードへの不安と反対の意思を周囲に伝えて理解と賛同をしてもらいたいからこのような活動をしている、と彼女の胸中をとつとつと話し始めた。男子は「アンタたちの話を聞きたくない人だっていっぱいいる、だから一人ひとりに向かってしゃべれ!」、「マイナカードは良い制度だとオレは思っている」と返してきた。我が女性は「私たちと違う意見の人たちもいることは認めます」、「いろいろな意見があって、それを声に出せることが健全な社会だからやっています」と。こんなやりとりのうちに、男子は態度を軟化させて自分の名前と住所を署名して立ち去った。

 なぜ男子は署名する気になったのだろうか。彼女は思いを語っただけだと言うが、このやりとりで我々の市民に向けた活動も同じ目線であらねばと今更ながら諭された思いが残る。

 

 

悪法乱立の国会に関心を持とう

 6月21日、通常国会が閉幕した。改正マイナンバー法を始め、GX脱炭素電源法による老朽原発の再稼働と再延長、防衛費財源確保法は積立金を横取りし、防衛産業強化法では兵器産業にテコ入れ、改正入管難民法によって難民認定を抑制して強制送還する、LGBTQ理解増進法の名を騙る差別促進法などが成立した。採決では野党間の法案賛否が割れ、従来の与野党対決は影を潜めた。維新と国民党が与党寄りになって政策実現への存在感をアピールした。

 立憲主義に悖り、国民の信託を裏切る悪法を乱立させ政党の責任は重い。これでは立法権を司る国会に疑問符が付いてしまう。次の選挙ではこのような勢力分布が強まるのか。それに甘んじることも阻むことも有権者の次第である。私たちは政治にもっと関心を持とう。
 


 梅雨深し湿り気続く政    昌利 

 存える日々を託せる保険証ただ一片の紙にあらざり   蒼果 

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