戦争の過ちを二度と繰り返さないために

「9条の会さかい」発信2023. 7 N0.76

2023年09月21日 12:18
 

 

 

マイナ反対署名への感謝

「保険証廃止の中止を求め、マイナカード取得の強制に反対します」署名活動は、会員と会報読者の皆さんにご協力によって、218筆が集まりました。この紙面にて、署名者と署名を集めて下さった方々に感謝申し上げます。今月末に「新日本婦人の会   マイナンバー制度反対連絡会」に送りました。全国からの膨大な署名と合わせて、衆参両院議長に提出されます。

 マイナカードにまつわる様々なトラブルが後を絶たず、世論調査ではこの制度に七割超が不安を感じている。そもそも皆保険制度の下で定着した健康保険証を廃止すること自体に無理がある。過去に住基ネットで破綻した後、形を変えて復活したマイナカードは、国民一人ひとりの所得を漏れなく掴んで徴税するために導入された。それがデジタル社会構築に置き換わり、利用分野と紐づけ項目の拡大になり、いつの間にか任意のはずが取得強制になるという矢継ぎ早の政策が進んでいる。そうまでして政府が欲しいのは何か、国民の個人情報パッケージである。それが監視社会のインフラになることに注意すべきである。

 

「憲法9条を護る活動二団体にノーベル平和賞を」署名キャンペーン 

 神奈川の一人の主婦が「憲法9条にノーベル平和賞」を授与させようと始めた。当初、この運動では受賞対象が「憲法」であり、受賞者が「国民」となっていたことで選考基準から漏れた。ノーベル委員会は、受賞対象者は「三人以下の個人や組織・団体」と定めていたからだ。そこで受賞を推進している市民団体は、「安保法制違憲訴訟全国ネットワーク」「9条改憲NO!全国市民アクション」の二団体を受賞対象者に推薦した。その結果「受領された」との発表が今年の3月にあった。

 前者の活動は2016年からで、2015年に自公維新が国会で強行採決した「集団的自衛権行使を容認する安保法制」は違憲であるとして、全国の高裁・地裁等で25件の訴訟が起こされている。原告の人数は約7700人(筆者は埼玉訴訟原告の一人)に及ぶ。後者は安倍政権以後、現在も着々と進められつつある9条の改悪に対して、街頭活動で集めた1236万筆の抗議署名を政府に提出している。当会もこの署名活動に参加している。

 当会では8月から署名締め切り直前の9月20日(水)の間、候補二団体へのノーベル平和賞授与署名活動を展開します。会員および当会報読書の方々には賛同署名および署名集めにご協力をいただきたくお願い致します。

 

死の商人と化す政治

「武器輸出三原則」によって、殺傷能力のある武器輸出は「できない」としてきたが、「防衛装備移転三原則」と名前を変えて輸出規制のハードルが下げられた。そこに付け入るように、与党自公協議は輸出要件緩和のための抜け穴を探し出し、三原則は殺傷能力のある武器輸出を「否定していない」とした。これは従来の法解釈の変更になるが、またしても国会での十分な審議も国民への説明もなく、私たちの国のあり方が変えられようとしている。

 岸田首相はこの解釈変更を8月の日米韓首脳会談の手土産にしたいのだろう。国際紛争を助長しないとする法本来の理念を踏みにじり、武器輸出を抑制してきた従来からの方針を転換しようとする姿勢が危うい。

 政治のこの現状を池内了(総合研究大学)は論説「現代版富国強兵策」(東京新聞7月15日)で論難している。国は「防衛装備移転三原則」により軍需産業に武器の生産と輸出を奨励し、「防衛産業強化法」を成立させて軍需産業の支援に乗り出した。「死の商人国家」となって富国強兵策を推し進めようとしている。池内は論説の最後で「日本は『新たな敗戦』をむかえるのであろうか」とこの国の将来を案じている。

 

 

 

山盛りのさつまの昼餉終戦忌 昌利   

彼の戦禍忘却の果てに置き去りて再あらそひに踏む政 蒼果 

 

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