戦争の過ちを二度と繰り返さないために
古河市9条の会ニュース 2021.3月号
「核禁助役批准を求める請願」が不採択に
藤田 敬子
「新日本婦人の会古河支部」と「古河市9条の会」は、日本政府に「核兵器禁止条約」の批准を求める採択の請願を古河市議会に提出しました。
3月9日に行われた総務委員会へ、大きな期待を胸に傍聴に行きました。ところが請願は、賛成3、与党議員の反対4で不採択という結果になったのです。反対派の理由は、「請願の趣旨は大変意義のあることと認めるが、中国、ロシア、北朝鮮の核保有国に囲まれている日本はアメリカの核抑止力で守られている、日本政府が批准するはずがないから」というものでした。
紹介議員を引き受けてくれた秋葉議員は、請願の意義を訴え、また「地方には地方の政治があって然るべきだ。『非核都市宣言』の看板を掲げている古河市議会が採決を拒むべきでない」と反論しました。
与党派議員の政権への忖度行為は反対のための反対に過ぎません。
奇しくもあの福島原発事故から10年、核兵器と原発が繋がっている事を考えると、与党派議員の姿勢には憤りと悔しさでいっぱいに。政権を変えなくてはとの思いを強くし、庁舎を後にしました。
「核兵器禁止条約」批准こそ廃絶への道
奈良 達雄
日本政府に核禁条約の批准を求める決議の採択が古河市議会で否決されたことは大変残念です。否決の理由が「中国・ロシア・北朝鮮の核兵器保有国に囲まれている日本は、アメリカの核抑止力に守られているのだから、日本政府が批准するはずがない」とのこと。二重に残念です。
「核抑止力」とは何か
「核抑止力」とは何でしょう。広島・長崎で多くの罪のない人々が放射線で焼き殺された。今はそれ以上に残虐な殺害ができるアメリカの核兵器で日本を守ろうと云うことです。しかし、相手の国の核基地をすべて一瞬で壊滅することは出来ません。相手も日本の基地めがけて核ミサイルを撃つでしょう。「核戦争に勝者はいない」のです。
そもそも広島・長崎で核兵器の残虐さを一番よく知る日本が、よその国をもっとひどい目にあわせることを前提に国を守る、そんなことが許されるでしょうか、
原水爆禁止運動の原点
世界で初めて核兵器の恐ろしさを知った日本国民は、どの国も核兵器を使うべきでない、いや作るべきでない、地球上どこでも核兵器を使ってはならない、そう考えて、「原水爆禁止運動」を始めたのです。広島・長崎の被爆者を先頭に「核兵器禁止条約」の制定を求める運動が始まったのです。国連に加盟している三分の二近い国が賛意を示しました。アメリカや中国の圧力を蹴って五十か国以上の国が批准、条約が発効したのです。日本に持ち込まれた核兵器は、国際条約で違法とされたのです。核抑止論は国際法上認められないものになりました。核抑止論に立つことは、国際的な犯罪を犯し続けることに他なりません。
唯一の戦争被爆国こそ先頭に
「日本の政府が批准する筈がないから反対だ」ではなく、本来は一番先に批准すべきだと訴えるべきではないでしょうか。
地方議会での「批准を求める決議」の採択は大きな広がりを見せています。岩手県では県とすべての市町村議会で採択されています。茨城県でも取手市やつくば市などで採択され、3月機会でも石岡市では自民・公明を含め満場一致で採択されています、政府や市議会への働きかけを強めていきましょう。