
戦争の過ちを二度と繰り返さないために
古河市9条の会ニュース 2023.11
米軍と自衛隊の一体化
安保三文書の閣議決定直後、日米の外務・防衛の閣僚会議、いわゆる「2プラス2」が行われ、その後、岸田首相とバイデン大統領が日米首脳会談を行いました。そこでは、安保三文書の改定や軍事費の倍増をバイデン大統領が歓迎し、「日米関係を現代化する」と語っています。
問題なのは、自衛隊と米軍が民間の港湾・空港の有事使用ができるようにしたことです。沖縄では、辺野古の新基地建設に20年以上反対してきましたが、そんな運動を無視するように、いとも簡単に、民間の港や空港が軍事基地化してしまいかねません。
アメリカは中国に比べると、アジアでは力が下回っているので、同盟国に軍事力強化を促すやり方を取っていますが、岸田総理は率先して協力しているのです。
自分たちの被害は語らない
安保三文書は自分たちへの被害は語っていません。防衛省の外郭団体である防衛研究所の報告書は民間人被害について、全く触れていません。
「琉球新聞」記者が、報告者をまとめた責任者に質問したところ、「中国は非常に精密や攻撃能力がある。被害は米軍や自衛隊が使える空港や港湾に収まり、沖縄戦のように民間人がまきこまれることはないだろう」と考えています。
これまでの紛争で、「誤爆」または戦意をくじくための民間人攻撃、意図的誤爆が、どれだけ行われてきたか、知らないとでもいうつもりでしょうか。
どこへどうやって逃げる?
国民保護法によって市町村は、有事の際の避難計画を作ることになっています。
例えば、石垣市では、市民避難に9・67日かかり、航空機が435機必要とされています。宮古島市では381機です。
そんな飛行機をいったい何処から調達するのでしょうか。自衛隊は民間人を運ぶ余裕はありませんし、民間航空が戦時にそんな数の飛行機を飛ばせるはずがありません。もし避難出来たとしても、両市の住民・10万人をどこが受け入れるのでしょうか。沖縄県民は、約150万人です。
無責任な「国民保護」
安保三文書作成に当たった人たちの著書には、戦時に身を守るにも「自助」が強調されているそうです。先ずは「自助」、自分で身を守れと云うことです。
沖縄の皆さんは沖縄戦の体験から「軍隊は住民を守らない」と云いますが、その通り、内閣官房の「国民保護ポータルサイト」では、「弾道ミサイル落下時の行動」を示していますが、「近くの建物に避難」、「物陰に身を隠す」などと書かれています。これで「国民保護」でしょうか。
政府の責任で戦争を始めておいて、「自分で身を守れ」、こんな国民をバカにした話はありません。
中国との間で有事になれば、経済的な断絶による被害も大きなものがあります。日本の全貿易のうち中国との貿易は約四分の一です。食料、建築資材、パソコン、スマホの部品など中国からの輸入に頼って、私たちの暮らしは成り立っているのです。