戦争の過ちを二度と繰り返さないために

2016年4月の改憲・安全保障関連の話題

2016年04月25日 00:00

話題記事をやり始めてから4月でもうすぐ一年になります。9条を護る私たちが注目しておいた方がよい話題を探して取り上げてきたつもりです。

このサイトの訪問者(ほとんどがリピーターでしょう)には感謝しております。カウンターは微増でもしつづけていることが励みです。新聞記事頼りから脱却できたら良いと思っていますが、ハードルが高いですね!( 事務局 大竹)

 

4月24の話題をアップしました。

         
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※日付をクリックすると当日の話題にジャンプします。

 

 

 

4/24

「『不思議な国の憲法』完成 映画で語る24人の思い」松井久子監督(24日東京新聞抜粋要約)。

憲法を題材としたドキュメンタリー映画が完成し、東京渋谷で5月21日から公開される。高校生や主婦、政治家、学者ら24人が登場し、自らの体験を踏まえた憲法への思いを語る。

改憲が焦点となる参院選を今夏に控え、監督の松井久子氏は「憲法論議が政治主導で進められるのでなく、主権者の国民の間で広がるきっかけとなれば」と願う。

「憲法の主人公は私たち国民で、権力の暴走を止めるのも私たちのはず。国のかたちが変わろうとしているのに、無関心で危機感のない人たちが多い日本は、やっぱり不思議なクニ」と松井さんはタイトルの意味を説明する。

映画は「あなたはどんな未来を選択しますか」と問い掛ける。

松井さん自身はどうか?「憲法前文には、私たちが目指すべき生きる姿勢が書いてある。私自身は九条の理想を守りたいし、個人の自由を保障している他の条文も大切に思う。一人一人が自分ごととして憲法を考え、違う意見の人とも対話を広げてほしい」と語る。

映画は5~6月、渋谷、横浜、名古屋で公開されるほか、参加者十名以上の自主上映会へのDVD貸出も行う。

詳しくは「不思議なクニの憲法」の公式サイトへ https://fushigina.jp

 

“松井久子監督といえば映画「何を怖れる」の発表した監督であり、我が茨城県境町でも、団体「さかい女性ネット」によって昨年自主上映されたことはまだ記憶に新しい。

自公の強行採決によって成立した戦争法(安保関連法)が今年の3月から施行となった。平和憲法を堅持してきた日本が今、極めて危うい分岐点に立たされている。どれほど無関心であることは出来ても、誰も無関係でいられない国と平和の立脚点だ。この映画を見てほしいと思う”(事務局 大竹)

 

 

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4/21 「報道介入はやめるべき」国連報告者メディア調査(21日東京新聞抜粋要約)。

 国連のデービッド・ケイ特別報告者が報道の独立性に重大な脅威を報告した。その背景には、国民の知る権利を侵す可能性のある特定秘密保護法や高市早苗総務相の「電波停止」発言に加え、度重なる報道への圧力や介入が相次いでいいることが挙げられる。

 ケイ氏は、政府機関や報道関係者、市民団体などから聞き取り調査をしていた。それを暫定調査結果として公表した。注目したいところを抜粋して示す。

【メディアの独立】

 放送法3条は、放送メディアの独立性を強調している。だが、私の会ったジャーナリストの多くは、政府の強い圧力を感じている。

 政治的に公平であることなど、法放送4条の原則は適正だが、何がこうへいであるかについて、いかなる政府も判断すべきではないと信じる。

 (高市)総務相は、放送法4条違反と判断すれば、放送業務の停止を命じる可能性もあると述べた。これはメディア規制の脅しと受け止められている。政府は放送法4条を廃止し、メディア規制の業務から手を引くことを勧める。

 「記者クラブ」と呼ばれるシステムは、アクセスと排他性を重んじる。規制側の政府と、規制される側のメディア幹部が会食し、密接な関係を築いている。

 表現の自由を保障する憲法21条について、自民党が「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」との憲法改正草案を出していること。これは国連の「市民的及び政治的権力に関する国連規約」19条に矛盾し、表現への不安を示唆する。メディアの人たちは、これが自分たちに向けられているものと思っている。

【歴史教育と報道の妨害】

 中学校の必修科目である日本史の教科書から、慰安婦の記載が削除されつつあると聞いた。

 第二次大戦中の犯罪をどう扱うかに政府が干渉するのは、民衆の知る権利を侵害する。政府は、歴史的な出来事の解釈に介入することを慎むだけでなく、こうした深刻な犯罪を市民に伝える努力を怠るべきではない。

【特定秘密保護法】

 特定秘密保護法は、必要以上に情報を隠し、原子力や安全保障、災害への備えなど、市民の関心が高い分野についての知る権利を危険にさらす。

 懸念として、秘密の指定規準に非常にあいまいな部分が残っている。

 記者と情報源が罰則を受ける恐れがある。記者を処分しないことを明文化すべきで、法改正を提案する。内部告発者の保護が弱いようにも映る。

 

 

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4/14 「投票率77%目指す」(14日東京新聞抜粋要約)。

 「くらしと政治はつなっがっている」を合言葉に、都内在住の女性たちが20日、市民自らインタネットサイト「ミナセンTV東京」を開設する。専門家や選挙候補者へのインタヴュー動画など掲載して閲覧者に政治への関心を高めてもらい、夏の参院選での国政選挙では全国平均で戦後最高となる投票率77%になることを目指す。

 安保関連法に反対する市民団体「ミナセン(みんなで選挙)東京」の女性たちが運営する。

 「政治のことを話すのは控えようという雰囲気がある。市民一人一人が発信することで、政治は特別なものではない」と感じるようにしたいと強調。

 国政選挙の全国平均投票率は、1958年衆院選が76.99%が戦後最高。前回2014年が52.66%だった。「77%は無謀な目標。でも市民がつながることで社会をどうにかしようという空気を盛り上げたい」と団体代表は語る。

 

“男女に限らず投票率が上がれば、今の政治の潮流が必ず変わるはずだ。世論調査結果によく出て来る「どちらともいえない」が高い比率を占める現状だが、投票率を上げることで減少することを期待出来よう。自分の頭で考えられる層が増えることが政治を変えることになると思う”(事務局 大竹)

 

 

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4/12 
「女性議員増やす取り組み 台湾・韓国に学ぶ」(12日東京新聞抜粋要約)。

 

 4月10日上智大学でシンポジウム「女性を議会へ 本気で増やす!」が開かれ、女性議員を飛躍的に増やした台湾と韓国から参加した元議員らが経験を語った。現在、日本の衆院女性議員比率は9.5%だが、台湾38%、韓国16%に伸びている。
 
 台湾で女性議員を増やす機運が高まったのは1996年、政党候補者の25%を女性にするクォータ制を提案していた女性が何ものかに殺された事件がきっかけ。「女性たちに、何かやらねばという意識が芽生えた」。98年に25%のクォータ制が法制化。2005年には比例代表の候補の50%以上を女性にする憲法に盛り込まれた。すると政党は競って女性を立候補者にするようになった。女性総統が生まれ、二大政党とも女性が代表を務めている。「今の台湾の政治は女性がリードしている」と台湾の元議員は話す。
 
 韓国ではさまざまな女性団体同士が手を結んでクォータ制を求める連帯組織を結成し、法制化を実現した。連帯は独自に女性候補を発掘し、リスト化して政党に提示する活動を行い、多くの女性議員を議会に送った。
 
 女性議員が増えた成果として、台湾では民法改正が実現。女性が結婚後も自分の財産を持てるようになった。離婚後は前夫から家事労働分の賃金をもらえるようになった。
 韓国では、女性議員の割合が高い地方議会では、保育など市民の生活や福祉にかかわる分野に厚く予算配分している現象が表れている。「既成政治を変えるには、クォータ制など制度変更が必要」と韓国の女性団体理事は話す。
 シンポジウムを企画した日本の主催者(上智大教授三浦まり氏)は「まず十年以内に女性議員を倍増させ、世界に追いつこう」と呼び掛けた。
 
 “女性議員が少なければ女性不利になるのは自明なことではないか。女性議員を倍増しようとするのであれば、女性の投票率を倍増させる運動を展開することが先決ではないか!!いたずら女性候補者を増やせば実現できるものではないと思うが。女性候補者の得票率が物を言うことになろう”(事務局 大竹)
 
 

 

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4/8 「女性参政権70年 先人が切り開いた道」(8日東京新聞「こちら特報部」抜粋要約)。
 

 戦後初の総選挙は終戦の翌年(1946.4.10)。女性たちの悲願だった女性参政権が実現。39人の女性議員が誕生。しかし、多くの先人の努力にもかかわらず、女性国会議員(衆院)比率は現在も一割に満たず、世界的にも後進国。戦後70年。道なき道を切り開いた女性たちの願いを振り返り、あらためて「一票」の重みを考える。

 

 男女雇用機会均等法成立の中心的役割を果たした赤松良子氏元文相は「法律や政策の影響を受けるのは女性も男性も同じ。決める場所が男ばかりではダメ」と強調する。

 

 戦後初の衆院選で誕生した女性議員は39名。

 

 秋田県の和崎ハル(1885-1952)

戦前から秋田県の女性参政権運動を主導した人生を地元劇団「わらび座」がミュージカルにして、4月16日から公演「ハルらんらん♪」。36才で夫が病死、残された義母と五人の子ども。秋田県で美容院を開業、傍ら市川房枝らの婦人参政権獲得運動に参加、1930年に秋田支部結成。精力的な活動で終戦翌年初当選。文字をかけない人の多い農村で「お辞儀をするときの畳の上に置く両手の形がハ」と訴えた当時の選挙運動の様子が伝わる。行動することで、社会を変えた一人だった。

 

 金沢市の米山久(ひさ 1897-1981も衆院選初当選。米山は戦前、市川房枝の参政権獲得運動を石川県で引っ張った第一人者。「女性に参政権がないのは、国民の半分が眠っているのと同じ」と訴えて奔走した。今も石川では、女性が政治の話題に触れ難い空気がある。投票に行かない女性が多い。今こそ一票の重みを考えたいと地元で企画展を開いた女性たちはその狙いを話す。

 

 碧川かた(1872-1962)

鳥取県初の女性国会議員もこの選挙で誕生。童話「赤とんぼ」作詞した三木露風の母だ。市民団体が昨年顕彰碑を建立し、そこに碧川の言葉「鐘は既に鳴れり」を刻んだ。団体代表者は「これまで政治は偉い人に任せればいいと思い、あまり深く考えずに投票していた。でも福島原発事故が起きて、『国は何をしていたのか』と自省も含め、いま当たり前のように享受している権利を獲得するのがどれほど大変だったか知ってもらおうと考えた」と振り返る。

 

 こうした動きの背景には、女性の政治参加が進まない現状への危機感がある。

 議会の議席数に一定の女性枠を設ける「クォータ制」の議論も進み、議員連盟も発足しているが法案提出には至っていない。

 女性の投票率も、1969年以降は女性の方が衆院選では高かったが、2009年からは男性側に逆転した状態が続く。

 

“女性議員比率が低いままで停滞してきた戦後と女性の権利意識の低迷は悪相関で続いている。ジェンダーの平等性を確保するためには「クォータ制」は不可欠だ。地方も含めて全女性議員には踏ん張ってほしい”(事務局 大竹)

 

 

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4/7
「安保法 『大きな過ち』」世界一貧しい(前)大統領ホセ・ムヒカ氏来日(7日東京新聞抜粋要約)。
 
ムヒカ氏来日語録から。
 
  • 憲法の解釈を変えたのは、日本が先走って大きな過ちを犯していると思う。
  • いまだに人類は先史時代に生きている。戦争を放棄する時が来たら、初めてそこから脱却できる。
  • 私たちには戦争を終わらせる義務がある。それは世界の若者が完成させなければならない大儀であり、可能なことだ。
  • 軍備の拡張は世界的に大きな問題であり、経済的な観点から見みても非常に深刻なことだ
 
ムヒカ氏「2012国連持続可能な開発会議(リオ+20)」演説語録
 
  • 貧乏とは少ししか持っていいないことではなく、無限に多くを必要とし、もっともっとと欲しがることです。
  • 今の地峡規模の危機の原因は、環境の危機ではなく、政治の危機なのです。
  • 乗り越えなければならないのは私たちの文明のモデルであり、見直すべきは私たちの生き方なのです」
  • 何かを追い求めることに束縛され、本当の幸せとは何か見失っていないか。
  • 世界は多くの富を抱え、技術も進歩した。しかし、資本主義は盲目で、だれもそれを止めることは出来ない。それが資本主義の『美しき悲劇』だ。私たちは幸せに生きているのだろうか
 

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4/6  「まるで大本営発表」(6日東京新聞「こちら特報部」抜粋要約)。
 
“この記事の見出しに説得力があり、紹介する”(事務局 大竹)
 
「政府『景気は緩やかな回復基調』なのに消費増税を再延期ですか」
「公約破りでも疑問の声は・・・」
「GDPはマイナス・実質賃金も前年下回る・消費者物価は横ばい」
「アベノミックスすでに破綻」
「参院選を控え印象操作」
 
 消費増税の再延期は歓迎したいが、なにやら奇妙だ。政府は「景気は緩やかな回復基調」にあるという。ならば、なぜ再延期なのか。増税は安倍首相の公約だが、公約破りは原発、TPPでもあった。ここで戦時中の「大本営発表」を想起する。発表では、戦局は有利に展開。しかし、いつの間にか「本土決戦」が叫ばれた。人びとはいぶかりつつも声を上げなかった。現在とどこか似ていないか。
 
 早稲田大学の土屋礼子教授(メディア史)は「他に選択肢が見えないという点で現代の言論状況は戦時中と相似している」と話す。戦時中、知識層を中心に大本営発表が虚偽であることはささやかれていたが「国民は日本が戦争に勝ってもらいたいと願い、知識層は言論統制されていた。他に選択肢はなく、国民の大半が戦果を誇る大本営発表を信じた」と語る。
 
 静岡県立大名誉教授(日本近現代史)で、ジャーナリストの前坂俊之氏はメディアの自主規制も含め「もはや『大本営発表』は始まっている」と危ぶむ。「自分が属する企業や労働組合などの既得権益ばかりを守ろうとし、政治は人ごと。お上が決めたことに従ってきた戦中と、さほど国民の政治意識は変わっていないのではないか。ここでその意識を変えようとする努力をしなければ、大切な民主主義が死んでしまう」
 

 


 

 

4/3 「青春を屁理屈から守れ」浜矩子同志社大教授(4日東京新聞「時代を読む」抜粋要約)。
 青春真っただ中を行く若者たちの討論会風景に、映像を通じて接する機会を得た。十八歳選挙権の実施を目前に控えて、その前後の年齢の若者たちは、何をどう考えているのか。それを知るために、多岐にわたるテーマを彼らに議論してもらう。
 真剣にテーマに向き合う若者たちの姿は、気持ちがよかった。少子高齢化。格差と貧困。破綻する日本財政。安保法制に改憲問題。今日的な問題を、ほぼ全てを網羅した討論メニューを、彼らは果敢にこなしていった。そこにけなげなさを感じた。
 彼らのトークを見て行く中で、とてもぎょっとする場面に遭遇した。「おばあちゃんが戦争は絶対にいけないという。だから、自分にも戦争がいけないという思いが強い。だから、戦争を回避するための抑止力が必要だといわれれば、確かにそうなんじゃないかと思う」
 戦争はいけない。繰り返しそう言い続けてくれるおばあちゃんの存在は貴重だ。その言葉を素直に自分の中に浸透させているお孫さんも素晴らしい。ところが、何たることか、この若者の絶対反戦の思いが、「抑止力」という言葉に翻弄されている。
 武力を持つことが戦争回避につながる。こんなとんでもない発想が、青春を行く人々の知性を汚す。実に恐ろしいことだ。だが、この抑止力病は、存外に若者の間に広がっているらしい。「反戦平和といったって、北朝鮮からミサイルが飛んで来たらどうするの?」。子どもさんから、あるお母様がこんなふうに言われたそうだ。
 青春に、この手のエセ現実主義は似合わない。やられたらやり返せなくちゃ。やられないためにも、やり返す用意をしなくちゃ。
 このとてつもなく危険な屁理屈から、青春をどう開放するのか。今こそ、われらポスト青春人間たちの力量が問われる。
 
“この「抑止力」病は若者だけではない。多くの人が罹っている流行性疾患のように思えてならない。エセ現実主義に対抗するためには、そもそも論に掘り下げることが大切だ。そもそもどうしてミサイルまで持ち出して? そもそもどうしてテロをやらなくちゃならなかったの? そもそもどうして領海侵犯を? 過去に遡れば見えてくるはずだ”(事務局 大竹)
 

 

 

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