戦争の過ちを二度と繰り返さないために
「9条の会さかい」発足一周年の集い ~ この1年とこれから~
事務局 大竹 勉
はじめに.
2014年11月27日に「9条の会さかい」が発足してから1年を迎えました。「9条の会ごか」の皆さんに背中を押されて、発起人(現世話人)9名で立ち上げました。ごかの行事に同行することから始まり、他の団体への平和集会等に参加しながらどうにか一周年を迎えることができましたことは、たいへん喜ばしいことと思います。
さて、「一周年の集い」は境町中央公民館研修室を会場にして11月7日(土)午後に行われました。ごかからは、青木正彦代表と高橋宏光世話人にご参加を願い、当会員14名(内2名は新規加入)、さらにゲストにシールズ(自由と民主主義のための学生緊急行動)の主要メンバー諏訪原健さん(筑波大学大学院教育学専攻)を招いて盛況に進めることが出来ました。
開会挨拶で内海和子世話人は、一年間活動の中でもとりわけ、境町町議会への「安全保障関連法案の廃案意見書提出」を求める陳情書を「茨城厚生労働組合西南支部」の連名にて出願し、これが採択されて国会に提出されたことは、当会のみならず境町議会にとっても意義のあることを述べました。
青木代表からは、当会の陳情書出願に伴う町議会採択を得たことへの評価、若い人たちシールズの活動が契機となり、新たな民主主義運動が巻き起りつつあることへの期待を述べられました。
1.以下は一周年の集いのプログラムです。
プログラム
1.開会 世話人 内海和子 2.趣旨説明 事務局 大竹勉 3.「9条の会ごか」挨拶 青木正彦 様 4.憲法読み合わせ 前文 9条 5.参加者自己紹介 6.発足1年間の活動報告 事務局 大竹勉 7.SEALDs諏訪原さんと語る会 招待 諏訪原 健さん 8.その他 今後の活動方針について 9.閉会挨拶 事務局 大竹勉
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2.次に、発足1年間の活動報告を示します。
発足1年間の活動報告
2014年11月27日(木)午後3時~午後5時 発足式 境町木村事務所にて 参加者 14名(ごかのみなさん4名含む)/会員数14名 発足趣旨説明 憲法前文と9条読み合わせ 話題提供 憲法9条について
2015年5月3日(日) 「憲法フェスティバル」参加:戸市仙波公園はなみずき広場にて マイクロバス貸切 ごか・さかい合同 参加者 ごか7名 さかい9名
5月30日(土)午後2時~午後4時 「憲法フェスティバル」参加報告会 木村事務所にて 参加者10名
7月2日(木)午前11時~午後1時 2015年 原水爆禁止・国民平和大行進 参加者7名 行進:さかい道の駅 → 境町役場
7月18日(土)午後12時半~2時 澤地久枝さん呼びかけ「アベ政治を許さない」全国一斉プラカードデモ 「さかい道の駅」交差点 参加者7名
8月2日(日)午後4時~午後6時 スペースU集会 → 古河駅西口までデモ行進
9月1日(火) を求める陳情書提出。「9条の会さかい」「茨城厚生労働組合西南支部」の連名にて提出 9月15日(火)境町議会は賛成多数(9:3)にて「採択」 →総理大臣・外務大臣・防衛大臣・衆参両院議長宛「意見書」送付 9月9日(水)午前9時~午後12時 五霞町善照寺「世界平和を願う鐘をつく会」(9条の会ごか主催) 講演会「戦後70年 憲法を考える」茨城大学名誉教授田村武夫先生 参加者2名
9月27日(日)午後6時30分~午後8時30分 講演会「学ぼう!日本国憲法と平和」茨城大学名誉教授田村武夫先生 「戦争法制」に反対する茨城県西地域実行委員会主催 「9条の会さかい」3名参加(大竹:司会担当)
11月3日(火)午後1時~午後2時 澤地久枝さん呼びかけ「アベ政治を許さない」全国一斉プラカードデモ 「さかい道の駅」交差点 参加者3名
11月7日(土)午後1時30分~午後4時 特別ゲスト SEALDs諏訪原健さん 境町中央公民館研修室 参加者16名
3.SEALDs諏訪原さんと語る会 今回は、若い人たちとの交流を持って、日本の平和主義や民主主義の現状を理解しようとする企画でした。つくば市から来ていただいたシールズの諏訪原健さん(22)は大学院1年生です。彼の爽やかな語り口からは、政治や社会の仕組みに豊富で正確な知識と理解をお持ちであることが分りました。 以下、諏訪原さんを囲んで和やかな雰囲気での記念撮影をしました。つづいて、諏訪原さんが述べられた印象的(事務局大竹による)なことを主に取りまとめてみました。
記念撮影
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シールズが結成されるまでの経緯について、2013年12月に成立した「特定秘密保護法」への反対運動までに遡る。その頃はまだ、学生たちの意識は盛り上がっていたとは言えないが、民主主義に対する危機感はあった。特定秘密保護法成立後の2014年2月に至り、SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)を立ち上げた。その理由は、この法律の運用面の曖昧さや、主権者としての国民の知る権利が著しく侵害されるところにある。加えて、自民党の改憲草案は国民の基本的な権利よりも公(国家)の利益と秩序が優先される憲法であること、日本版NSC( 国家安全保障会議)の設置に批判的見解を持っていた。私たちは、これらに対して声を上げて反対していこうとした。
SASPLはその後、後継団体シールズ(SEALs)に発展した。安倍政権は、解釈改憲によって集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。そして、安全保障関連法案が国会で審議されようとする状況にあった。国民の権利や福利に優先して公の秩序と利益を守るために、原発再稼働や安保体制に走る政府与党に反対の声を上げた。
しかし、声を上げるにしても国会前等でなされてきた従来型のデモには、手段としての効果に疑問を感じていた。そこで自分たちのスタイルを追求した。参加者一人ひとりが個人としてスピーチし、それをデモの前面に出していこうとした。シュプレヒコールは、もっと乗りの良い、同世代に響くスタイルが好い。刺激されたのがアメリカのデモ動画だった。そこから、
Tell me what democracy looks like.
This is what democracy looks like.
が生まれた。これが国会前デモなどでシールズ調コールで囃されている。
民主主義ってなんだ これだ!
民主主義ってなんだ これだ!
デモを効果的にするために工夫する。それを戦略的に演出する。ハードルを低くして、デモに参加しやすくすることも同様。一方、ローカルな勉強会に参加する活動も展開している。そのような効果が高校生の団体ティーンズソウルの発生にも影響していると思う。
9月19日参院における安保関連法案の採決の経緯には、重大な危機意識を抱いている。悪しき前例を残した。もはや、立憲主義議会としての正当性を欠いていると言わざるを得ない。安保関連法成立後も、さらなる民主主義の進展のために国民の声を喚起したい。そのための情報発信の選択肢を考える必要がある。例えば、動画によるリアリティーは伝達性に優れ、影響力も強い。だから、それを発信媒体とした可能性に期待して運動の展開を考えている。
戦争を放棄した「九条」を堅持することは大切である。国際紛争における解決の仕方が、安保法制とは違った九条なりのより良い方法を見つけ出せると考えるからだ。
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「集会が始まる前に諏訪原さんと話す機会を持てた。そのなかで彼の印象的な言葉を紹介しておきたい。『私たちは、既存の社会システムや文化、価値観等で良いものは尊重しながら、憲法や民主主義の理念に沿って変革をしていこうとしている』。過去の世代の学生運動は、教条的で独善的かつ排他的な面を持っていた。それに比べて、現代の彼らの運動にはバランス感覚のある保守性やしなやかさを感じる。そこが国民にとって受け入れやすい活動と評価されているのかも知れない」(事務局 大竹)。
4.今後の活動方針について
4.1 活動方針
この一年間の活動を振り返ってみると、当会のみで活動をするには一定の限界があることが分ります。今後はごか、古河、坂東など近隣の9条の会と協力しながら、さらなる活動の広がりと展開をはかることが必要と思います。
会員数が現在30名足らずとまだ小人数です。会員数の増加をはかりたいと考えております。
4.2 「9条の会さかい」HP(ホームページ)コンテンツ紹介
インターネットからのアクセスは 「9条の会さかい」 で検索してみてください。→(https://sakai9jo.webnode.jp/ facebook)
主な内容として
民主主義関連の話題:今年5月からほぼ毎日の新聞記事から拾った話題を抜粋再校正して掲載しております。
ブログ:
① 忘れるわけにはいかない“アベ政治を許さない”
境町デモ(11月3日活動報告)
② 「どうなる 若者のいのち これからの日本」 立憲主義を取り戻す! 殺し・殺されぬために (11月1日市民ホールやたべ 参加報告)
③ 「民主主義を取り戻せ! 戦争させるな!」
安倍政権 NO!! 1002★大行進 (10月2日国会前デモ参加報告)
④ 「学ぼう! 日本国憲法と平和」
戦争法は、これからどんな状況をもたらすか!
(9月27日 古河市ユーセンター 講演会参加報告)
⑤ 「やさしく叫ぶ戦争反対」自由と平和のための京大有志の会 作
⑥ 「戦後70年、憲法を考える」 田村武夫先生(茨城大学名誉教授)講演を聞いて (9月9日五霞町公民館 参加報告)
⑦ 「世界平和を願う鐘をつく会」に参加して
(9月9日「9条の会ごか」行事参加報告)
⑧ 9月1日境町町議会への陳情書提出へ (事務局報告)
⑨ 8月30日国会前10万人行動 参加報告
⑩ 8.2「戦争法案に反対する」古河集会市内パレード 参加報告
⑪ ストップ!!戦争法案 7.21戦争法案に反対する県南集会 参加報告
⑫ いなか町のこれっぽっちデモ 境町デモ(7月18日活動報告)
⑬ 「戦争は防衛を名目に始まる」京大有志の会の詩的声明書
⑭ しらけてる場合じゃない!! (7月13日事務局)
⑮ 無関心でも無関係ではいられない政治と私たち! (7月10日事務局)
⑯ 平和行進への思いは反核・反戦! (7月2日デモ行進参加報告)
⑰ 自民若手議員勉強会での暴論に対し、どれほどの反応と広がりが見られるのか! (7月4日 事務局)
⑱ 戦争法案への政府の振る舞いに批判世論は高まりつつ (6月27日事務局)
⑲ 国会前の座り込み活動 (6月19日事務局)
⑳ シンボライズドデモ (1月23日事務局)
以上